富山の性犯罪無罪判決が逆転有罪に!

 ご存知の方も多いと思いますが、うれしいニュースが飛び込んできました。昨年5月に富山地裁で強制性交等致傷罪について出された無罪判決が、7月13日に名古屋高裁金沢支部で破棄され、逆転有罪判決が出されたのです。

 「タイミングがあったのに逃げようとしなかった」など被害者の心理に無理解な判決に対して『性暴力のない社会』をめざす会」が結成され、不当判決に抗議する署名を呼びかけ、控訴審を闘う被害者を支援してこられました。このメルマガでも抗議署名への協力を呼びかけたり、フェミカン学会の講座などでもこの裁判について取り上げるなどして、私たちも注目して応援してきました。

 今回の控訴審判決の裁判官は、「一審は性被害の心理に対する理解を欠いており、明らかに不合理」と断じ、被告の刑事責任は重いとして執行猶予なしの懲役7年を言い渡したとのことです。そして、女性が性行為に同意していたかどうかを判断するにあたって、被害者が被害の翌朝に産婦人科を受診し、妊娠の不安や動揺を見せていたことや、ワンストップセンターにつながったことも、「同意していたとは認められない」という判断になったようです。

 ちょうど判決日が改正された刑法性犯罪の施行日にあたったことも大きな意味があります。これから刑事手続きにおいて、もっと被害者の心理が正しく理解されるようになり、ワンストップセンターのことももっと広く知られていくとよいのになあと思います。

 そして、不当判決に対して抗議し、控訴審を闘う被害者を支援する体制を本当に素早く作り、粘り強く支援してこられた「『性暴力のない社会』をめざす会」の皆さま、本当にお疲れ様でした。何よりも不当判決によって深刻な二次被害を受けながらも過酷な裁判を闘ってこられた被害者に敬意を表したいと思います。

※ この記事は、学会、フェミニストカウンセラー協会、フェミニストカウンセリング・アドヴォケイタ―協会が持ち回りで投稿しています。