トランスジェンダー追悼の日

毎年11月20日は「国際トランスジェンダー追悼の日」です(トランスジェンダー認知週間:11月13日〜19日)。
11月19日は新宿の中央公園で「トランスマーチ」というイベントがある予定でしたが、諸事情により中止になり、とても残念な思いでした。
いろいろなことが一気に動いたこともあり、その勢いに乗ってパレードが出来たらどんなに良かっただろうと、私だけでなくたくさんの関係者が残念がったことと思います。
11月20日はトランスジェンダーを追悼する重要な日ですが、残りの364日が大切なのだといつも考えます。
今年もトランスバッシングの激しい年でした。公衆浴場利用とトイレ等の女性スペース利用の問題。もううんざりです。
例外的事例を過剰に重大視し、恐怖を煽ることは、トランスジェンダーへの強烈な排除や抑圧なります。外国人犯罪が過剰に危険視されたり、生活保護の不正受給が過剰にバッシングされる状況と似ているように思います。犯罪にしろ不正受給にしろ、その行為者本人が責任を負うべきことです。そのような例外的事例が、「外国人」や「生活保護受給者」といった”大きなくくり”で論じられるとき、トランスジェンダーバッシングも同じだなと思います。そこで一緒くたに論じられる当事者の気持ちを考えたことはありますか?
トイレ一つとってもなるべく人のいないところを探したり、それよりも朝から水分を控えて外出する人もいる。トイレに行くだけなのに・・・
トランスジェンダーって、シスジェンダーの人が思う以上に社会の事をよく見ていて、何をしたら自分が迫害されるのか、小さいときから良く分かっている人が多いと思う。
そして、性別なんて関係ないよって言うシスジェンダーの人がいるが、その性別に翻弄されて、自分の性別で扱われるためにどれほどの道のりを歩まないといけないか、想像してほしい。
来年のトランスマーチを楽しみにしつつ、トランスジェンダーはもちろん、様々な差別がされない社会の構築にどう向き合っていくか生涯の宿題として考えていきたい。
差別の最大の敵は「考えない」こと!だそうだ。

※この記事は、学会、フェミニストカウンセラー協会、フェミニストカウンセリング・アドヴォケイタ―協会が持ち回りで投稿しています。