6月1日のぱたぱた日記
新型コロナウイルス感染拡大のため昨年中止となった第19回日本フェミニストカウンセリング学会in神戸大会は、開催実施方法が途中で変更になるなど皆様にはご心配をおかけしましたが、5月22日、初めての全面オンラインでの開催を無事終えることができました。昨年は阪神淡路大震災から25年、今年は東日本大震災から10年。そして昨年から続くこれまで経験したことのないコロナ禍に見舞われている今。「トラウマのある社会で生きるということ~回復への旅を当事者とともに」をテーマにシンポジストと共にこれからの社会に何が求められるかを考える学会にしたいと当日を迎えました。
コーディネーターに福岡ともみさん(ウィメンズカウンセリング京都)、シンポジストに岩井圭司さん(兵庫教育大学大学院教授 精神
科医)、ウィリングヘム広美さん(ハコミ研究所認定トレーナー 米公認心理士)、竹之下雅代さん(ウィメンズカウンセリング京都)を迎え、トラウマを抱える当事者と長年関わり続けてこられてきたシンポジストにそれぞれの今現在と未来へ続く提言について語っていただきました。
オンラインでありましたが、シンポジストの思いが熱となって伝わってきたシンポジウムでした。参加された方々は脳裏に浮かんでくる様々な風景と思いを抱きながらシンポジストの話に耳を傾けられたことと思います。また、分科会ワークショップも積極的に参加をいただき、無事終了することができました。学会としても今回のこの経験を今後の活動にぜひ活かしていきたいと思っています。また、毎年学会全国大会時に開催されていた総会は今年度も書面総会となり書面評決となりました。賛成過半数以上ですべての議案が可決されました。みなさまご協力ありがとうございました。
困難な状況の今こそ、あらためてフェミニストカウンセリングが求められていることを実感しています。前途はまだまだ頑張って切り開き、乗り越えていかなければならない状況です。最後に、あらためて今回の日本フェミニストカウンセリング学会総会議案の前文「はじめに」の一部を、みなさんと共有したいと思います。
疫病の蔓延はDVと虐待を増大させ、多くの女性を失業と貧困に追い込み、自殺と理不尽な死に追いやっている。疫病の流行がもたらす格差は、疫病そのものがもたらす不幸だけでなく、より深刻な混乱と不安を社会にもたらしている。そこここで生まれている、まだ見えない不幸がやがて姿を現すことが予感される。それらの不幸は私たち自身の不幸でもある。新たな不幸を感じ取り、見つけ、声をかけ、手を伸ばせるだけの幅と深さ、大きさと力を手にしたいものだと思う。そのためには多様な困難に対峙できるだけの多様性と柔軟性を持ち、生活に根差した連帯と多様なシスターフッドを育てていくこと。それが、今に続く時代への、私たちらしい備えとなるのではないだろうか。
※この記事は、学会、フェミニストカウンセラー協会、フェミニストカウンセリング・アドヴォケイタ―協会が持ち回りで投稿しています。