親子交流の現場から見える“子どもの権利

私が所属するNPOは、2021年から民間シェルター「KiteKite」を開設しました。そこで、DVや離婚調停に直面する母子と、非同居親との「親子交流(面会交流)」をサポートしています。 当初は「面会交流」という名称をそのまま使っていましたが、子どもが友達の前で口にしてしまう可能性を考慮し、現在は「親子交流」と呼んで活動しています。
 幼い子どもの中には、両親が離婚調停中であることを知らず、「なぜ今日は母親が一緒に来ないの?」と戸惑う姿も見られます。しかし交流を重ねるうちに、「今日は父親と会う日」と理解を深めていきます。
 一方、調停の場では婚姻費用や養育費の話し合いが行われますが、DV加害者の多くは「妻には一銭たりとも払いたくない」「子どもに会えないなら養育費を払う意味がない」などと主張します。その結果、子どもが会いたがらない場合でも、面会交流が条件のように組み込まれることがあります。子どもの多くは面前DVや何らかの被害を経験しており、虐待や性虐待を行った非同居親との交流は拒否できる仕組みがあります。しかし「子どもに会う権利」・「子どもの権利」として進められる面会交流が、本当に子どものためになっているのか疑問を抱く場面も少なくありません。
 実際の親子交流の場では、非同居親が外面よく“良い父親”を演じようとする姿が見られます。しかし実際には子どもの話を聞かず、同じ質問を繰り返したり、子どもが二人三人になると手が回らず、とくに食事の場面では支援員に助けを求める視線を送ることもあります。これは、これまで妻に育児を任せきりにしていた“ワンオペ育児”の状況を映し出す瞬間でもあります。
また、調停が終わると非同居親との連絡が途絶え、交流日程の調整が困難になるケースもあります。養育費の不払いや遅延は、母子世帯の貧困率を高める要因となっています。いわゆる“DV夫あるある”で、つい本音で「クズだな」と言いたくなる状況があります。離婚したから安心とは言えず、離婚後も母子は支配的な関係から抜け出すことは難しい現実があります。母親からは「もう私や子どもたちに興味がないのですよね」と悲痛な声が聞かれることもあります。
 離婚調停成立前には、子どもたちが対面で遊び、「またね〜バイバイ」と笑顔で非同居親に手を振る姿もありました。その笑顔を守りたい一心で私たちは活動を続けていますが、複雑な思いを抱えながらの支援となっています。

※この記事は、学会、フェミニストカウンセラー協会、フェミニストカウンセリング・アドヴォケイタ―協会が持ち回りで投稿しています。