能登半島地震の発生から1年半、氷見市は・・・

去る6月の下旬、新聞の『氷見市の観光農園でラベンダーまつりが始まる。ラベンダーの摘み取りができる』との記事に誘われ、早朝から出かけた。氷見市の某集落のはずれの農園まで、車で1時間半ほどかかった。400株もの園内のラベンダーは紫色の花が見頃を迎えていて、畑の中を歩きながら摘み取り、香りを楽しんだ。他にも58種のハーブが区画を分けて植えてあり、散策しながら多種多様なハーブを見て回った。大賑わいまでではなかったが、お昼に近づくにつれて人が増え、行き交う人や地元の人たちとの会話も楽しんだ。この観光農園は、地区のまちづくり協議会が国の農村型地域運営組織(農村RMO)支援事業などを活用し、2年前から耕作放棄地を整備してつくったとのことだった。

せっかく氷見に来たのだからとお昼ご飯に岩ガキを食べることにし、車中にただようラベンダーの芳香に癒されながら市の中心部に向かった。

次第に景色が変わり、屋根や壁を覆うブルーシートが目に付くようになり、多くの空き地が目を引いた。しばらくして地震で甚大な被害を受けた地区であること、この光景が公費解体が進んだ結果だと思い至った。

食事をしたお店の経営者に、地震の被害やその後の復興の様子について聞くと、「ここは通りから一本入っていたので、割と早く営業を再開することができた。この地区(氷見市栄町の新道地区)は特に液状化被害がひどく、被災家屋の公費解体後は更地になっている。同じところに家を建て直すことが難しく、ここを離れて他市に移った人が何人もある。気の毒だと思うし、寂しくなった。町内会では更地にコスモスの種を蒔いて花畑にしようという話が出ている。この地区はこれからどうなっていくのだろうか」と話をしてくださった。液状化被害の深刻さを目にし、耳にし、衝撃を受け、無関心だったことを猛省した一日となった。

その後の報道で、富山市、高岡市、射水市、氷見市は、能登半島地震で発生した液状化被害の対策工事は維持管理費が必要となる「地下水位低下工法」を採用する方針を示し、施工後の維持管理費を住民にどの程度求めるかが焦点となっていると知った。各地で開かれた住民説明会では公費負担を求める声が続出しているとあり、当たり前だと思った。当然あるべき国の支援が見えないことが悲しい。

石川県との県境に位置して被害の大きかった富山県氷見市姿地区では6月1日に住民が公費解体で更地となった海岸沿いにヒマワリを植え、新道地区では7月6日に氷見高校生や被災後に地区から転出した人も参加して住民が更地にコスモスの種を蒔いた。花畑を復興のシンボルにしたいとのことだ。秋にまた訪れようと思う。これからも能登半島地震の復興がどのように進むのか、注視したい。

※この記事は、学会、フェミニストカウンセラー協会、フェミニストカウンセリング・アドヴォケイタ―協会が持ち回りで投稿しています。