「2024年年頭に〜非暴力の願いをこめて〜」

 2024年1月1日、新しい年が明けました。昨年は学会にとって、事務所を移転した2019年に継ぐ試練の年でしたが、会員の皆様のご協力を得て新年を迎えることができました。当会の活動に対する変わらぬご支援ご協力に改めてお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
昨年1月1日のメルマガでは、新型コロナ感染の継続、「新しい戦前」という言葉と、閣議決定された敵基地攻撃能力の保有、五ノ井里奈さん、伊藤詩織さんの闘いやColabo攻撃に見られる女性に対する誹謗中傷を取り上げました。この時、すでにロシアのウクライナ侵攻は始まっていました。2022年2月24日から始まったこの戦争は、もうすぐ3年目に入ろうとしています。そしてパレスチナガザ地区へのイスラエルの攻撃。契機は昨年10月7日のイスラエルに対するハマスの攻撃ですが、両者の間には圧倒的な力の差があります。ハマスが潜んでいるとして攻撃されているガザ地区では2万人超の命が失われています。そのうち8000人が子ども、6000人が女性と言われています。21世紀になり20年が過ぎても、虐殺あるいは民族浄化と言うべき出来事を国際社会は止めることができずにいます。
 Colaboの闘いは今も継続中ですが、五ノ井里奈さん(2023年12月26日確定)、伊藤詩織さん(2022年7月7日確定)の裁判はお二人の勝訴で終わりました。とは言え、お二人が失った時間、お金、安心な生活等々の大きさ、受けた傷の大きさは、裁判が終わったからと言って忘れ去ることができるものではありません。今年明らかになり、今も未解決の問題にジャニーズの性加害、宝塚のパワハラ問題、そして真偽のほどは明らかになっていませんが、年末に報道された松本人志氏の性加害問題などがあります。そこには、誹謗中傷から陰謀論めいたものまで、被害者の語りがかき消されかねないほどにさまざまな言説があります。書ききれませんが、その他にも不公正や不正義、弱者に対する暴力がいくつも報道された一年でした。こう考えると昨年は「乱」あるいは「濫」を一年の漢字として選びたくなるような年だったと感じます。因みに昨年の今年の漢字ご存じですか?「税」ですって。これも十分「乱」ですよね。
始まった2024年、私たちの闘いの歩みが実り多く、かつ穏やかな年となることを祈りつつ、会員の皆様にとって幸多い年でありますようお祈り申し上げます。

※この記事は、学会、フェミニストカウンセラー協会、フェミニストカウンセリング・アドヴォケイタ―協会が持ち回りで投稿しています。