謝るということ…

相談やカウンセリングをしていて、相談者に初っ端から謝ってしまうことがある。「ごめんねー。魔法のように解決することができなくて…。こうやったらスッキリ解決できるよ!と言えたらいいんだけどね…」など。なかなか簡単に解決できない問題であることを共有して、でも、その上でできることを考えていこう、ということが共通認識となっていけばいいと思うからだ。

若いクライアントさんが直面する問題が、法律や社会制度の不備に原因があったりすると、そういう法律や制度を変えることができてこなかった大人の一人として、「ごめんなさい」と謝ることもある。特に理不尽な思いをずっと重ねてきたクライアントさんに誰かが謝らないと…と思ったりするからだ。

カウンセリングの中で私から傷つけられた…と抗議されたりすることもあるけれど、「そんなふうに言ったつもりはなかったけれど、そういうふうに受け取られたんですね。説明が足りなくてごめんなさい。傷つけたなら謝ります」という謝罪の仕方をすることもある。実際、クライアントさんが傷ついたのは事実だろうし、謝ることで少しでも誤解が解けて、気が収まったり、関係が修復できるのだったら、謝ることに意味はあると思うからだ。

どういうことについて、どういうふうに、どのくらい謝り続けることが、どのような意味を持つのか…最近、いろいろ考えさせられている。

今年の漢字は「戦」ということだが、私もある意味、「戦」の1年だったような気もする。いろいろ心配したり、声をかけてくれたり、がっつりサポートしてくださったりした皆さま、ありがとうございました。

 

 

※この記事は、学会、フェミニストカウンセラー協会、フェミニストカウンセリング・アドヴォケイタ―協会が持ち回りで投稿しています。