赤根智子さんを応援したい
赤根智子さん、国際刑事裁判所(ICC)所長であり、アメリカのトランプ政権により経済制裁の対象にされた。私は恥ずかしながら、この方をよく存じ上げなかったが、国際社会で活躍されている日本女性を知ることができてとてもうれしい。皆様の方がよく知っておられるかもしれない。
まず、国際刑事裁判所(ICC)とは何か。ICCは2002年にオランダに設置された。国と国の紛争を扱う国際司法裁判所(ICJ)とは異なり、重大な罪を犯した個人を処罰する。対象は、戦争犯罪やジェノサイド(集団殺害)、人道に対する罪、侵略犯罪だ。加盟国は日本を含め125か国だが、中国、ロシア、アメリカ、イスラエルは残念ながら加盟していない。国際社会でも法の支配を重んじる日本の拠出金が一番多い。
ICCは2023年、ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、ウクライナから子どもたちを強制移送したことが戦争犯罪にあたるとして、プーチン大統領らに逮捕状を出した。そのことでロシア当局はこの件を審理した赤根さんをはじめ3人の判事を指名手配する報復措置に出た。その時赤根さんはインタビューに答えて、「裁判官は仮に1人が死んだとしても、いくらでも替えが利く」とし、「証拠に基づき法律的な手続きで責任を追及していくことが、戦争犯罪の抑止につながる」との見解を述べていた。
そして、2024年、ICCはイスラエルのネタニヤフ首相らに対して、戦争犯罪の疑いで逮捕状を発行した。このことを受けて、2026年8月にアメリカは赤根さんを経済制裁の対象としたのだ。赤根さんは、「脅威のために押しつぶされるようなことはない。正義は常にこれと対極にあるものに優越しなければならないという信念を貫く」とトランプ政権の圧力に屈しないことを改めてインタビューで答えている。
ウクライナやパレスチナのガザ地区、イラン、の戦争の報道に触れるたびに、重苦しい気持ちになる。そこに平和や人権はない。力を持つものの支配、パワーゲームが繰り広げられ、個人は踏みにじられる。もし、ICCの所長である赤根さんの経済制裁にはじまり、ICCの解体というようなことが起きたら、赤根さんは「力のある国が力の支配という形で法の支配というのを駆逐していく過程に入ってしまう」「ある意味では第二次世界大戦後の世界に戻ってしまうかもわからない」と懸念を示している。だからこそ、ICCは決して屈しないと明言し、「力の支配」を行う米トランプ政権に対抗する「法の支配」の砦であるICCを守るため、日本の国や国民に対して更なる支援を求めている。
赤根智子さんを私は応援したい、平和と人権を守るために。
※この記事は、学会、フェミニストカウンセラー協会、フェミニストカウンセリング・アドヴォケイタ―協会が持ち回りで投稿しています。

