変わっていく「相談のカタチ」
最近の若い人は電話が苦手らしいね…というのは、もう「常識」になっているかもしれない。先日、小中でスクールカウンセラーをしている人から「メール」もあまり送らないらしい、という話を聞いた。SNSで「メッセージ」を送ったり、「チャット」はするけれど、「メール」を送るのはすごく個人的で距離の近い行為なので、とてもできない…らしい。
私が関わっているワンストップセンターでは、基本的に電話相談が入り口で、そこから来所相談、必要があれば同行支援するというのが支援のメニューだった。「入り口が電話相談だけでは聴覚障害、言語障害の方は相談できないじゃないか」と障害当事者からの問題提起を受け、メールでの相談受付も広報するようになった経緯もあり、最近では相談者とメールでやり取りすることも少なくない。発達の特性があって「電話よりもメールの方がありがたい」という相談者もいる。少しは相談しやすくできているつもりになっていたが、もしかしてSNSであれば相談できたけれど、電話やメールでは…と相談を躊躇してしまった(若い)相談者も思った以上に多いのかもしれない。
メールでの相談対応といえば、最近、日本語がしゃべれない相談者から電話があり、うまく意思の疎通が取れずに困ったことがあった。メールで相談してもらって、翻訳アプリで対応しようということを考えている。しかし、電話でメールアドレスを正確に伝えられるかという問題もあり、HPなどでメールアドレスがわかるように広報したらいいのではないかと話し合ったりもしている。
実際に翻訳アプリを使って英語やフランス語、中国語が母語の被害者の相談対応をしたこともあるが、翻訳アプリである程度対応できそうだなあと思うところもあれば、やはり恐ろしくやり取りに時間と労力がかかり、質のいい通訳さんの確保が必要だと思うこともあった。
ちょっと違う話になってしまうかもしれないが、フェミカンでいえば、コロナ以降、オンラインでのカウンセリングを導入したルームやカウンセラーも多いと思う。全国どこでもフェミニストカウンセラーがいるわけではないし、オンラインでフェミニストカウンセリングを受けられるのであれば受けたいというニーズもあるだろう。一方で、安全面を考えると慎重にするべきだという意見もあるし、まだまだ議論が必要な段階である。
相談したい人が、誰でも相談できるような「相談のカタチ」をどう作っていくのか…。特に私を含めフェミカンはSNSに弱いところもあるけれど、もうそんなことは言ってられないのだなあと改めて考えさせられた。
※この記事は、学会、フェミニストカウンセラー協会、フェミニストカウンセリング・アドヴォケイタ―協会が持ち回りで投稿しています。