京都大会に向けてただいま絶賛準備中

 4月に入り日本フェミニストカウンセリング学会京都大会までもう2か月を切った。ウィメンズカウンセリング京都が実行委員会団体になるのは3回目で、2回目はちょうど10年前。京都性暴力被害者ワンストップ相談支援センター 京都SARAが開設されたのがその年の8月なので、開設準備をしながら大会も開催したので、それはもう大変だったのではないか。と他人事のように書いているのは、あまり覚えていないからで、それだけ大変だったのかもしれないし、単に年齢のせいかもしれない。10年経って、大会の実行委員として京都SARAの支援員さんがずいぶん協力を申し出てくれていて心強い。
 京都SARAでは相談者の約半数が30代以下の若年層だ。カウンセリングルームではなかなか出会えなかった若年女性に出会うようになった。彼女たちが性暴力を受けて様々な症状を抱えていると「それは性暴力のトラウマによる当たり前の反応で、適切なケアを受ければ回復しますよ」と伝えている。ワンストップ支援センターの支援に置いてトラウマインフォームドケアは不可欠といえる。
 また、彼女たちに望まない性的な行為は性暴力であり、NOと言ってもいいということや被害後の緊急避妊や性感染症の検査などについての情報提供も行う。子ども同士の被害の相談を受けると、被害者にも加害者にもならないように早期の包括的な性教育が必要であることも痛感する。SRHR(セクシャル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ=性と生殖に関する健康と権利)の観点はとても重要といえる。
 ということで京都大会のシンポジウムでは「若年女性のエンパワメントとフェミニストカウンセリング」をテーマに「トラウマインフォームドケア」の第一人者である大阪大学の臨床心理士、公認心理師の野坂祐子さんと「SRHR Japan」代表で産婦人科医の池田裕美枝さんにたっぷりとお話ししていただく予定である。野坂さんは最近『ガスライティングという支配 関係性におけるトラウマとその回復』というアメリカのフェミニストカウンセラー(アメリカ・ケリー)の著書を翻訳して出版された。池田さんには京都SARA開設当初に研究プロジェクトに誘っていただき、社会的困難を抱える女性をネットワークで支援するための視点や情報を提供する「KYOTO SCOPE」というサイトを一緒に開設した。お二人ともフェミニストカウンセリングにはシンパシーを持ってくださっていると思う。そのお二人にウィメンズカウンセリング京都のスタッフがコーディネーターとして関わり、シンポジウムではどのような化学反応が生まれるのか今から楽しみである。
 会場は、10年前は京都市の男女共同参画センターのウィングス京都だったが、現在改修中のため京都ノートルダム女子大学で開催することになった。地下鉄の「北山」駅近くで交通の便もよく、昼食は「北山」駅周辺のお店もしくは持参していただいて食べてもらうことになっているので、近くのお店を調べて予約しておかれるのもよいかもしれない。
 会場については、ワークショップで車イスユーザーの方が発題者になっているのでバリアフリーかどうか確認するなどもしている。午後の井上摩耶子さんも発題者の「複合差別とフェミニストカウンセリング〜障害者差別と女性差別を考える〜」なのだが、発題者の香田晴子さん、村田恵子さんは京都SARAの支援員としても活動され、障害女性が性暴力被害の相談から排除されないようにと訴え続けてこられている。関心のある方は是非ご参加を。
 もうpeatixでの申し込みも始まっている。https://fcgakkaikyoto2025.peatix.com/ 30周年イベントではフェミニストカウンセリングの発信力の弱さが指摘された。せっかくの機会なので地元の京都や全国にフェミニストカウンセリングをもっと知ってもらうように広報にも力を入れていきたい。皆さま、5月に京都でお目にかかりましょう。

※この記事は、学会、フェミニストカウンセラー協会、フェミニストカウンセリング・アドヴォケイタ―協会が持ち回りで投稿しています。