あんふぁんて、つづく
その昔、「あんふぁんて」というグループ(という表現がいいのかわからないが)があった。ひょっとしたらこのニュースレターを読んでいる方の中にもご存じの方がいらっしゃるかもしれない。あんふぁんてはフランス語で「産む」「創る」の意味で、子どもをもつ女性たちが集まり、公共の場に託児室を作るための署名活動などさまざまな活動を行っていた。会員は全国にいて会報でつながり、密室育児真っただ中の私も自分の思いをよく投稿したものだ。
今では考えられないが、新たに会員になるとその地域の会員の住所が共有されて連絡を取り合うことができた。会員となった私もさっそく地元の会員に連絡を取り合い、会って話すようになった。初めて会ったはずなのに、なぜかずっと前から知り合いのように盛り上がり話が尽きることはなかった。仕事を持っているメンバーがほとんどで、出産後も働き続けることへの風当たりを強く感じていた。何しろ30年前は子どもが幼稚園ではなく保育園に行くのはかわいそうと思われていた時代で、出産後も仕事を続けている人は今よりずっと少なかった。「働きたいというから、働かせてやっている」とまではいかなくても、「勝手にやっているのだから、ボクは何もしないよ」的な態度の夫への不満、自分自身のどこかにある子どもにとって本当にこれでいいのかという気持ちなど、とにかく話しまくり、「そうそう」「わかるわかる」と受け止めてもらえた。家族からはとんでもない宗教にハマったと眉をひそめられつつも、私たちはさまざまな知恵を共有してまた明日からがんばろうと思えた。
2005年に全国の会員をつなげてきたあんふぁんての会報誌は終刊となったのだが、地元での集まりはメンバー同士が支え・支えられながら今に至っている。
先日、メンバーと京都へ花見に出かけた。人出の多い所をうまく避けながら穴場をめぐり、安くておいしい洋食ランチを堪能した。育児や働くことの問題は、いつしか自分たちの子ども世代の問題となった。それにしても世の中は自分たちの子育ての時とあまり変わっていないよね、私たちはみんなワンオペだったよね、よくやってきたよねなどと振り返る。あんふぁんてとの出会いに感謝し、これからもこのつながりを大切にしていきたいと改めて感じた、花より団子の一日になった。私たちのあんふぁんてはこれからも続く。
※この記事は、学会、フェミニストカウンセラー協会、フェミニストカウンセリング・アドヴォケイタ―協会が持ち回りで投稿しています。

