「ちいさな事務所から」
昨年12月、東京都武蔵野市に2Kのちいさな事務所を開いてから半年余り。「一般社団法人カウンセラーズ・オフィスとも」として、ようやく自分たちのルームができたというのはそれだけでうれしく、気持ちが安定する。それまでは個人の自宅で事務を行い、駅のホームやカフェで書類を手渡したり、時間貸しの会議室を借りてミーティングをしていた。
事業を始めて2年目だが、法人登記をしたのはさらにその前年。有限会社フェミニストセラピィなかまの相談員として最後の1年の業務を続けながら、一般社団法人の起ち上げにゼロから取り組んだ。それまでと同じ自治体の女性相談を同じ相談員が続けたいだけなのに、所属の法人を新たにすることがこれほど面倒なのかと、予想を超えた大仕事だった。東京都の自治体で契約や入札をするためには、法人として都への電子登録申請を行う必要があり、それには前年度の決算書や登記書類も必要。出来立てほやほやの法人に事業実績はなく、現場で何年続けたなどという個人の実績はカウントされない。新規の法人登録審査を行う部署が関知するのは書類がすべて。「全員失職かも!?」という不安を抱えてのスタートだった。
幸いにも、なんとか手続きを乗り越えて従前のすべての自治体と契約を取り直すことができ、胸をなで下ろした。メンバーは現在10人。もちろんそれぞれ何足かのわらじを履きながら働き、あるいは年金と合わせるような寄る年波を感じるわれら中高年女性、メンバーのだれかが骨折したりすると、話題は健康法やトレーニングになり、骨密度の高い若い人を増やさなくちゃね!と笑顔と真顔が半々になる。世の女性たちのご多分にもれず、高齢親の看取りや介護、孫の世話、シングルの年金の少なさなど、多忙に身を投じてきた働きに対する見返りの少なさに、「ジェンダー不平等社会のリアル」を感じる日々だ。ちいさな場ではあっても、女性による女性のためのフェミニストカウンセリング、教育・支援などに専心する新しいルームを作ったことで、生業(なりわい)としても成り立つ道を拡げたいし、次の世代に繋ぎたいとの欲も出ている。ますます人権の危うくなる暴力的な社会の困難に立ち向かい、ともに生きのびて幸せを感じようよ、という意欲はむしろ強くなっていると思う。
「とも」の事務所は、東京23区から西に外れた三鷹(みたか)駅(JR中央/総武線、地下鉄東西線)北口から歩いて5分。人気の商業地区吉祥寺の隣り駅で中央特快という速い電車も止まる。駅前は緑の並木道で落ち着いた佇まい。マンションの一室だが、日当たりのよい静かな角部屋で気に入っている。秋からはCRも始める予定だ。https://counselors-tomo.com メール:counselors.tomo@gmail.com
※この記事は、学会、フェミニストカウンセラー協会、フェミニストカウンセリング・アドヴォケイタ―協会が持ち回りで投稿しています。

